人とことば
対策のための病症診断施行について
梶原 三郎
pp.61
発行日 1967年2月15日
Published Date 1967/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203405
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「健康は帰するところ個人の問題である」と三木清が人生論の中で書いています。医師の診断は個人の違和感の感知なしにはあり得ません。治療を目的としてならばそれでよろしいです。
対策をいえばそれは予防を目的とします。そこでまず個人差,集団差,社会的地位による差の大きい個人の違和感を消去した診断―わるくやれば強制診断になる―が望ましいことになります。労働基本法が施行されて以来,事業体ではこの類の診断が雇傭者に課せられて,労働者保護上の使用者の義務として行なわれるようになりました。このいわゆる定期診断が円満に,かつ全員について行なえるよう常に考慮がはらわれるべきです。
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