人とことば
専門職業への行動科学の方法の応用
ドナルド・R ヤング
pp.473
発行日 1966年9月15日
Published Date 1966/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203332
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専門的実際家の専門技術に対する行動科学の貢献の価値を認識することはより一層困難です。一例として,保健活動をとってみます。医者,看護婦,患者の間の協力を能率的にすることに関連する要因は社会心理学者,社会学者,社会人類学者による研究対象として適切であることを理解することはそう困難ではありません。また病院には,明らかに医学には属していない管理運営の問題があります。他方病気予防,治療手順,さらに慢性病患者や身体障害者の復帰や適応の問題に対する行動的要因の重要性を認識するためには高度な知識思考を必要とします。久しい間,医療というものは薬剤または手術刀で特定の病気を処置する技術と考えられていまして,全体としての病態だけではなく人間としての患者の取扱いといった概念を,十分理解する人はほとんどいませんでした。さらに,それ自体若い行動科学はごく最近保健活動と重要な協力を企てたのです。この協力の必要性は問題の研究者にとっては明白でありますが,これらの貢献は今までのところ自然科学,生物科学の貢献に圧倒され,エキスパートだけが認めておりまして,現在はまだ一般人の意識に上るに至っていません。
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