連載 心一文字・8
『業』
園家 文苑
,
水戸 優子
1
1神奈川県立保健福祉大学
pp.679
発行日 2014年8月25日
Published Date 2014/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102768
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3年生を対象とした『看護倫理』の授業で,「看護ケアを拒み暴言を吐き続ける患者に若手看護師はケアを続けるべきか,やめるべきか」というテーマで学生間ディベートを行った。
続けるべき派は,「保助看法によると『看護師』とは,(中略)……を行うことを業とする者をいう。業とは,反復継続の意思をもって行うことであるから看護師であるならばケアを続けるべきだ」と主張。一方,やめるべき派は,「よりケア能力のある看護師がケアしたほうが患者にとって最善だ」とか「看護師にも精神衛生が守られる権利がある」と主張した。私はどちらの主張にも納得しつつ学生自らが看護師の「業」の意味を考えることそのものに感心した。と同時に,実際に看護師を「業」として働きだしたときにこのことを貫けるだけの力を育てないといけないと思った。
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