特集 助産婦のアイデンティティ
助産婦の専門職業意識と職務環境との関係
佐藤 瑞代
1
1横浜市医師会保土谷看護専門学校
pp.188-193
発行日 1987年3月25日
Published Date 1987/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207087
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はじめに
35年前,すでに私たちは自分たち助産婦が再度プロフェッションであることを公に主張したが,果たして実質上その機能を果たすことに成功しただろうか。社会は急激な変化を遂げているが,その変化に並行させて專門職として発展させるように努力してきたのだろうか,また,プロフェッショナルとしての実力を持っていたのだろうか,との疑問が今出されつつある。私たち助産婦職は,教育の上でも制度の過渡期にきており,多くの問題をかかえたまま,1つ1つ解決されることなく今日に至っているように思われる。ここで,職業観について,今一度自分自身問い直してみるつもりで,この研究を始めた。
職業観の定義は「個人の職業に対する基本的認識,つまり,職業に対する個人のあらゆる見方,考え方,態度の総称であり,いわば,職業を媒介とした人生観である」5)とあった。まずこのような職業に対する基本的姿勢があって,その上でさらに専門職としての意識が形成されるのだと思う。現在臨床の場で働いている助産婦は,どのような職業に対する専門家としての意識,態度,姿勢を持っているのだろうか。その特性を知るために,プロフェッショナリズムの態度構造を調べ,この点を明らかにすることにより,現状の問題点,今後の展望が明確になるのではないかと考えた。
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