特集 住民の保健をいかに進めるか—第5回社会医学研究会・主題報告と総括討論
巻頭言
井上 俊
1
1名古屋大学
pp.593
発行日 1964年11月15日
Published Date 1964/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202916
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第5回社会医学研究会の主題は,全国世話人会と開催地東海地区世話人会の熟議のすえ「住民の保健をいかに進めるか」と決定された。広い分野をもつ社会医学研究会にとって,主題を定めて討論することは,短かい会期中に充分討議をつくすために,極めて意義あることである。主題の設定によって,研究会のもち方にはおのずから一つの方向が与えられることになったが,この主題が今日の社会医学者の中に常日頃つちかわれてきたものの主要な一つであったことに間違いはない。
「住民の保健をいかに進めるか」は,社会医学における「実践」の問題を真正面からとりあげたもので,社会病理学でも社会診断学でもなく,社会治療学に相当する課題である。いわば,今回の研究会は,住民の健康にスポットを当てて,社会治療学原論を活溌にくりひろげるということに,その意図があったといってよい。
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