原著
神戸港港湾地域及び外航船にみたハツカネズミMus. molossinusとMus. musculusに関する調査
大橋 六郎
1
,
高野 正明
1
,
四ツ柳 実
1
,
乙益 道隆
1
1厚生省神戸検疫所
pp.335-338
発行日 1964年6月15日
Published Date 1964/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202832
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緒言
近年,海空の交通機関が発達し,船舶や航空機が増加するにつれて世界各国との交通が非常に容易になったことは喜ばしい事であるが,その反面,怖ろしい伝染病の侵入する機会も多くなって来ている。昨年(昭和37年)の我が国におけるコレラ禍,そしてヨーロッパ,北,東欧の痘そう侵入等つぎつぎと防疫対策に各国共にいとまがない有様である。
外来伝染病の一つであるペストは,ネズミとそれに寄生するノミが媒介の主役を演ずるのであるが,これらの主要な媒介者が船舶,航空機等によって我が国に侵入してくることは当然考えられることであり,実際に我が国には棲息をみなかったネズミの種類(Suncus. caeruleus)が港湾地域で捕獲されている1)。
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