特集 地域開発と住民の健康—(社会医学研究会特別報告)
4.京葉工業地帯
社会医学研究会東京ブロック
pp.599-604
発行日 1963年11月15日
Published Date 1963/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202747
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地域開発の現状
千葉県は最近まで工業のない農業県,つまり後進性のつよい県であった。しかし昭和27年になって県は「千葉県産業経済振興計画」をたてることによって,京葉地区の工業化の方針を積極的にうちだした。当時は川崎製鉄の隣に東電千葉火力,船橋に旭ガラスが決定した程度であったが,昭和34年からは大企業の進出が始まった。昭和35年8月に県側は理立計画を大幅に拡張して,3,400万坪の造成面積とすることとした。このようにしていまや臨海地帯に一大工業地帯が形成されつつある。
千葉県長期計画書は昭和60年には第2次第3次産業のつよい誘因により高水準の所得を求めて就業者移動が行なわれ,昭和35年にくらべて第1次産業は47%の減少になると見込んでいる。このようにして千葉県の産業構造は大きくかえられると述べているが,これを企業の側からみれば,臨海性において行詰った京浜工業地帯の地域的延長によって,京浜工業地帯の行詰りの打開をはかろうとしているのであり,企業の意図と地域の発展が今後果してどのような方向をたどるかが注目されるところである。
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