特集 社会医学(第3回社会医学研究会講演)
一般演題
琉球列島の医療・保健衛生の現況
相沢 竜
1
1長崎大学医学部公衆衛生学教室
pp.608-610
発行日 1962年11月15日
Published Date 1962/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202585
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演者は昨秋,長崎大学風土病研究所の宮古群島の調査に参加し,琉球の医療・保健衛生の概況を調べたので,報告する。
琉球列島は自然的社会的に種々の特徴をもっている。(1)著しい離島性と僻地性,(2)海洋性亜熱帯性気候,さらに毎年の台風被害と冬季節風連吹による海洋気象の特徴等が琉球開発の自然的障害となって来た。(3)従って産業全般にわたる後進性,すなわち農業が産業の主体であるが生産性が低く,第二次産業が著しく遅れ,さらに近年沖繩南中部の那覇,コザ市を中心に商業,サービス業の著しい発展,さらに文化,教育,経済等諸般にわたる遅れと低い生活水準,(4)戦前の内地に対する著しい従属性と今次大戦における甚大な戦禍,終戦処理・復興の遅れ,さらに米軍政下,ついで米民性下という特殊行政下にあること。
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