海外研究所の思い出
ロックフェラー研究所の近況
佐野 晴洋
1
1京都大学医学部公衆衛生学教室
pp.437-445
発行日 1962年8月15日
Published Date 1962/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202550
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
筆者は1958年8月より約2年間ロックフェラー研究所のDr. Granickの下でポルフィリンの生化学を専政する機会を得た,ロックフェラー研究所はニューヨーク市マンハッタンのEast,York Avenueの64-68th streetからEast Riverにわたって建つ一群の建物で現在一流のstaffを擁し,そのacademicな業蹟を世界に誇る研究所である,有名な野口英世博士が,ここのMemberand Professorとして活躍されたことはよくご承知の通りである。ここでの滞在2カ年は少なからぬ影響を私に与えた。私はここでこの研究所の持つ素晴しい雰囲気にひたりつつ,2年間ただひたすらに研究に没頭した。研究設備もよく金もあり人もよしとあれば,これは全く理想の研究所といえよう。若いアメリカの研究者達が一流の先生の下ですくすくという形容詞そのままに伸びて行く姿はまったくうらやましいと思った。
Copyright © 1962, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.