感想及び随筆
醫局近況
pp.85-88
発行日 1946年7月20日
Published Date 1946/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200084
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名古屋産科婦人科
終戰後既に半歳餘を經過した.開戰僻頭の極まりなき感激は「ボツダム」宣言受諾,無條件降伏と云ふ痛恨悲憤の涙へと落着した。想起するだに戰慄する畫夜間の連續空襲の恐怖は私達の腦裡から次第に薄いで行く。この戰爭に於て醫局出身者6名の尊い犠牲を出したる事はまことに遺憾の極,愼んで哀悼の意を表する次第である。
教室は長期間斷なき名古屋空襲のため遂に其の施設の殆ど全部を烏有に歸し重要な材料を失ひ圖書文獻等の大半をも燒却し無念殘念ではあるが,然し本學としては外來診察所,コンクリート建病室が幸ひ燒失を免れたるため不便乍らも一般診療を持續してゐるのである。
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