原著
降下煤塵量の測器による差異について(第1報)—1958年7月〜1960年6月間の成績/降下煤塵量の測器による差異について(第2報)—乾式法と湿式法の差異
斎藤 功
1
1東京都立衛生研究所
pp.160-165
発行日 1962年3月15日
Published Date 1962/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202507
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1.序言
現在降下煤塵量は各地の大気汚染度ないし煤塵量を推定する代表的資料の一つとされているが,その測定法には検討の余地が多い。降下煤塵計(Deposit gage)には,現在大別して英国規格煤塵計(British standard depositgage,以下支障なければBGと略記)と,各種の煤塵捕集瓶(Dust jar,以下支障なければDJと略記)などを用いる簡易煤塵計とがある.近年は特に空気塵埃の放射能の検査などに広表面の浅底水盤や,gummed paper,濾紙フィルターなども用いられるが,主として短時日間の集塵用で,いわゆる降下煤塵計としてはBGとDJが主である.BGは英国で1912年以後は基本的な改訂なしに用いられている1).2)。その口径については,12〜70cmの問では単位面積当たりの降塵量に大差が認められず,結局30cmを標準とするようになり3),1948年には精密な規格が定められた4)。英国以外でもある程度国際的に用いられ,英国ではその性能などについてもかなり検討されている5)。DJは米,独その他各国の研究者が大型広口瓶,シリンダーなどを適宜に使用するので,DJの統一された規格はないが,米国では口径4〜5吋,高さ8〜12吋,内容1ガロソ前後のガロソ瓶などが多く使われている6),7)。
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