特集 医療保障と健康保険制度
国民健康保険の現状
谷口 泰範
1
1厚生省保険局調査課
pp.41-47
発行日 1968年1月10日
Published Date 1968/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204097
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I 被保険者の状況
1.世帯数,被保険者数
昭和41年度における国保の保険者数は,3,495でこのうち市町村が3.339,国保組合が156となっている。また被保険者数は42,826千人でこのうち市町村が41,202千人,国保組合が1,675千人となっている。総人口は99,234千人であるから総人口の約43.2%が国保被保険者である。
国民健康保険の全国実施によって国民皆保険が達成された昭和36年度以降の世帯数および被保険者数の推移をみると表1のとおりであって,世帯数は年々微増をつづけている。被保険者数は昭和39年度までは年々約100万人前後の減少を示していたが昭和40年度以降は30万人〜40万人の減少を示し,減少の程度が鈍化している。また昭和36年当時は総人何の約49%が国保被保険者であったが年々この割合は減少している。被保険者数が減少するのは,被用者保険への移行によるもので特に3月および4月には新規学卒者が被用者保険の適用事業所に就職することにより国保を離脱するためこの2ヵ月間でかなりの減少を示している。また世帯数のわずかの増加は,被用者保険へ移行する場合に世帯全員が移行することは少く,大部分が世帯員の一部のものの移行であって,世帯数を減少させることにはならずむしろ国保適用世帯の分離が進行しているためであろう。
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