原著
6×6判フイルムによる先天股脱の判定基準について
水野 宏
1
,
鈴木 シゲ
1
1名古屋大学医学部公衆衛生学教室
pp.38-44
発行日 1957年11月15日
Published Date 1957/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201898
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1.はしがき
間接撮影によつて先天性股関節脱臼の集団検診を行うことは我国独自の方法であるが,これは昭和23年著者の一人水野によつて創始されたものである。水野は,はじめ35mm判間接撮影フイルムを用い,これによつても先天股脱の診断は充分可能である事を認めたが,昭和25年以降6×6判フイルムを愛用し,この方法によれば股関節各部の計測を行つた場合も,直接撮影によるものに比し,その信頼性においてさして劣るものでなく診断上殆んど不便を感ぜぬ事を知つた1)2)。
最近水野にならつて乳児検診に股関節レ線間接撮影を実施するものが多くなつたことは,3)4)5)この方法によつて先天股脱の早期発見,早期治療の完全実施が可能になるという点でまことによろこばしい事といわなければならない。
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