原著
塵紙に対する一つの工夫
砂田 毅
1
,
東 義夫
1
,
木下 正弘
1
,
西岡 潔
1
1大阪大学医学部衛生学教室
pp.105-107
発行日 1957年5月15日
Published Date 1957/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201831
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序
用便時,塵紙を通して糞便中の細菌が,使用した手指に附着する事は既に良く知られて居る。此の汚染した手指を直ちに清浄にすれば良いが,通常は此の手指で衣類を正して後,始めて手洗いを行つているのが普通である。従つて我々の衣類とか建具は不用意に日常用便後の汚染した手指によつて汚されている。出来得れば此様な汚染は防止された方が望ましい。その為には手洗いを便器の傍に設置して拭い取り後直ちに手洗いを行うのが最も良いが,その設備を国民全家庭に及ぼすには経済的にも難点があり,又獲得した習慣からつい此れを省略する者が出て来る虞がある。従つて省略出来ない段階で手指汚染を防止する事が最も望ましいし,又それは無意識に実行出来る様にした方が良い。用便時省略出来ない段階は汚物の拭い取りであるから,此の処置を行うときに手指が糞便により汚染しない様にするのがfollproofである。
そのため我々は塵紙に注目して此れを加工する事を考えた。
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