原著
先天性股関節脱臼集団檢診用レ線間接撮影装置の考案
水野 宏
1
,
森田 穰
1
1名古屋大学医学部公衆衛生学教室
pp.47-49
発行日 1957年3月15日
Published Date 1957/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201798
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1.緒言
先天性股関節脱臼(以下先天股脱)は極めて頻度の高い疾患である。横山・小寺1)は生後7日以内の新生児608名において0.5%,竹沢2)は生後50日以内の乳児1440名において0.4%発見したと報告しているが,神中3)は赤ちやんコンクールに参加した700名の健康乳児中6名(0.9%),白石・志貿は健康乳児394名中4名(1.0%)に発見している。
教室の鈴木等4)は愛知県蒲郡保健所管内全域にわたつて巡回検診を実施し,6×6版レ線写真を撮影した結果,2才未満の乳幼児1224名中20名(1.6%)にのぼる脱臼患児を発見した。この地域は先天股脱の特に多い地域とも考えられるが,それにしても予想外の高率で,巡回検診によつて一般乳児に余さずレ線撮影を実施すれば,どの地域でも従来よりさらに高率に発見されるのではないかと考えられる。
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