原著
捕鼠(そ)器による倉庫内のねずみ驅除について
前田 弘近
1
,
玉ノ井 恒
1
,
小田 武治
1
,
溝口 末吉
1
1門司検疫所
pp.54-56
発行日 1956年10月15日
Published Date 1956/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201742
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(1)まえおき
外航船舶は国際衛生規則によつて,ペスト予防のためねずみ族の駆除を施行しているが,これら船舶と直接関係のある港湾地域の倉庫内のねずみ駆除を行つて,船舶内にねずみの侵襲を防止することは,海港検疫上重要なことである。関門港においても,従来から,倉庫内のねずみ駆除については,各倉庫業者が自主的に行つてはいたが,ただ思いつき程度に過ぎず,何ら計画的なものはないようであつた。昭和24年12月,時あたかも満鮮においてペスト流行のうわさもあり,検疫業務にたずさわる筆者らは,港湾地域の倉庫内におけるねずみ駆除について関心を持つていたので,門司市大里,日本製粉株式会社門司工場倉庫(以下日粉という)及び門司市西海岸通日本通運株式会社門司支店埠頭倉庫(以下日通という)において,倉庫内の捕そ器によるねずみ駆除について調査を行つた。調査期間が短く充分満足ではないが,一応の結果が得られたので,更にこれ以上続行しても,その意義はうすいと思われ,また諸種の事情があつて,一先づ中止し,その結果をまとめて報告することにした。
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