特集 物品補給と倉庫管理
病院の倉庫
中村 彰吾
1
,
落合 勝一郎
2
1聖路加国際病院倉庫課
2聖路加国際病院
pp.37-42
発行日 1966年10月1日
Published Date 1966/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202961
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
1.病院倉庫の本質
病院倉庫の本質は,その根本的概念に二面性をもっている。第1は,「患者診療に直接,間接必要とする物品の補給」ということである。病院の本来の目的である「完全なる患者の治療」には,診療,看護に付随して,医薬品をはじめとする多種多様の物品群が使用されるが,これを,適正かつ円滑に補給して,支障をきたさないようにこころがけ,いつでも多岐にわたる需要に応ぜられる態勢を備えるべきである。すなわち倉庫は,後方業務で,診療,看護の第一線と連絡をもち,組織され能率化された一定のルートを通じて,物品を補給することである。病院活動は生きものであるから例え一定の補給ルートが確立されている場合でも例外,応急,緊急の事態は常におこりうる。
すなわち病棟,外来の手持ち物品が偶発的事故により破損または不足することもある。そして,これが患者の治療に対して支障をきたすと,担当医師,看護婦その他職員が判断した場合には,すみやかな補充が行なわれるような事務的手続きが整備されていなければならない。このような処理はあくまでも例外行為であって,補給後,厳重にそのような事故の原因分析が行なわれ,同じような事態が,同様の原因で再発することを防ぐようにしなければならない。
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.