講座
蛔虫と鈎虫(十二指腸虫)の驅除
松林 久吉
1
1慶應大學
pp.32-36
発行日 1952年2月10日
Published Date 1952/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200230
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蛔虫と鈎虫とは我國に於ける最も重要な寄生虫です。蛔虫は都會,農村を問わず非常に澤山の人に寄生しておりますので,そのために色々な障害を訴えて,仕事の能率を妨げられている人も少なくありません。鈎虫は主として畑仕事をする時に感染するものですから,農村に多くて,都會に少いものです。一般には十二指腸虫と呼ばれておりますが,學問的には鈎虫と呼ばれておりますが,學問的には鈎虫と呼ぶのが適當ですから,なる可くこの言葉が一般に通用する樣にしたいものです。之が寄生した時の主な症状は貧血であつて,農村ではそれと氣附かずに苦しんでいる人も珍らしくはありません。
之等の寄生虫を駆除するのは必しも容易ではありません。勿論蛔虫と鈎虫とでは使用する藥もちがいますし,その服用のしかたもちがいます。茲では從つて,蛔虫と鈎虫の駆除法を別々に考えて見ませう。
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