特集 鼠族昆蟲
蚤・虱の驅除剤の批判
石井 信太郞
pp.278-281
発行日 1950年5月15日
Published Date 1950/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200641
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蚤と虱の驅除法は生物学的性状から考察し極めて異なるものであるから之を一括して述べることは当を得ていないのである。それで両者の驅除法の共通した点に就て述べることとする。
蚤は寄生虫ではなくて,虱は寄生虫であるという生物学的性状の差異があるのであるが,蚤は人体又は動物体の体表に於て其発育を全うするものではなく,主として床下や疊の下などで産卵して幼虫,蛹,成虫が発育し然る後に人体や動物体に附着して吸血するものである。一方虱は産卵を人体の体表に於て行い,そこで幼虫.成虫となるものである。即ち之は寄生生活を営むものと謂えるのである。
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