特集 學校保健衛生(1)
学校身体検査
成田 功
1
1神奈川B.O.E.
pp.35-38
発行日 1956年3月15日
Published Date 1956/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201656
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緒言
明治21年には学校に於て活力検査が奨励され,明治30年には学生生徒身体検査規定が定められ,身長,体重,胸囲,栄養,脊柱,視力及び屈折状態,色神,眼疾,聽力,耳疾,歯牙その他疾病異常等の検査が行われるようになつた。その後大正9年には更に発育概評の項目が加えられ,昭和2年には身体検査票の記入に当つて従来の尺貫法は廃止され,メートル法が採用されるに至つた。昭和12年には更に坐高の計測と共に比坐高,比体重,比胸囲などの記入欄が設けられたのである。豊田順爾博士等によれば,坐高は体格体貭を構成する一要素であり,発育栄養指数構成上,又児童の発育と机,腰掛を適合させる等のために測定を必要とするとしている。しかるに昭和19年には単に身体検査の実施を簡素化するという理由によつて前記の坐高の測定が削除され,豊田博上一生涯の失望と歎ぜしめた。又我が国結核対策の重要性が認識され,ツベルクリン皮内反応検査が新たに加えられた。昭和24年にはふたたび坐高測定が加えられ,疾病及び異常の検査項目が整備され,即ち胸郭,鼻及び咽頭,皮膚等が加えられ,その他の疾病異常については呼吸器,循環器,神経系統等を検査し,結核性疾患,ろくまく炎,心臓疾患,貧血,脚気,ヘルニア,神経衰弱,言語障碍,骨,関節の異常,四肢運動障碍及び寄生虫病等の発見につとめるとされ,更に結果の処理と活用に就て定めている。これが現行のものである。
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