特集 公衆衞生と経済
疾病予防と治療との経済的考察
曾田 長宗
1
1厚生省医務局
pp.1-3
発行日 1955年12月15日
Published Date 1955/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201621
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
戦後著しい飛躍を示した衞生行政が,最近又各地で萎縮の兆を現わし始め,広く関係者を憂慮させている。病院,療養所,保健所,衞生研究所等の削減や所要人員の整理,さては衞生部自体の廃止統合等,所謂地方財政の立て直しにからんで,地方の衞生行政は危機に臨んでいる。
各界の知事諸公も衞生行政を軽視するわけではないが,これも県財政上やむを得ない処置として是認さるべきものだという。その裏には世間一般に--衞生行政は戦後「水ぶくれ」した。進駐軍の後おしで,日本の現状には過分な衞生施策が行われたのだから,相当これを圧縮しても無理ではない―と云うような考えが広がつているのでなかろうかと思われる。
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.