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気管支喘息の藥物療法
北原 靜夫
pp.54
発行日 1954年6月15日
Published Date 1954/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201404
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気管支喘息の治療には非発作時の根治療法と発作時の藥物療法とが問題になるが此所では後者につき解説する。喘息発作は如何にして起るか。之には色々の説があるがWarren,Dixonは肺の毛細管の傷害による充血,水腫が気管支閉鎖の最重要な因子であり気管支筋収縮による呼吸障碍は極く早期段階のみであると。Alexanderはヒスタミン様物質が毛細管の透過性を亢進し平滑筋を収縮して喘息発作を起すのであろうと説明している。
近年Halpernはアンテルがヒスタミンにより誘発される喘息発作に非常に有効なことを知つた。以来種々のより優れた抗ヒスタミン剤が合成された。FeinbergUnger等多数の研究者の經驗では抗ヒスタミン剤は喘息発作の起る前の咳嗽とか呼吸困難を伴わない痙攣性咳嗽には良く奏効するが著明な発作には到底アドレナリンに及ばない言う意向が強い。
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