研究報告
高等學校驛傳競走選手の合宿期間における疲勞度の動的觀察
宮本 璋
1
,
大淵 重敬
1
,
野崎 紀和
1
,
野田 喜代一
1
,
田谷 利光
1
,
島田 良典
1
,
橋口 精範
2
,
硯川 宏
2
,
本橋 久和
2
,
本橋 久男
2
,
諸岡 恒雄
3
,
山口 武男
3
1東京醫科齒科大學農村厚生研究所
2東京醫科齒科大學研究所江戸崎分室
3茨城縣立江戸崎高等學校
pp.27-32
発行日 1952年7月15日
Published Date 1952/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201071
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1.緒論
體育において疲勞の状態を知ることは,體育の效果を適切に助長する上において,まことに重要なことであることは勿論のことであるが,就中各種スポーツにおいてレコードを向上させるために,できるだけ大きな練習量を負荷しなければならないというような場合,疲勞の状態を檢査しないでただむやみに練習量を積み重ねてゆくのは,切角將來ある選手が疲勞困憊の極に達し遂には再起不能の状態におちいるという危險性さえも考えられる。この點については從來は一般に廣くスポーツにおいてコーチヤーと呼ばれているところの主として技術的指導者が,その長いスポーツ生活のうちに得た經驗によつて練習量をコントロールしてきたのであるが,これを醫學的にそして合理的に基礎ずけてゆくことは今迄にあまり多くなかつたように思われる。
幸い今回茨城縣驛傳競走の練習のため江戸崎高校競技部生徒の合宿があり,著者等は生徒等と起居を共にする機會に惠まれて,種々醫學的考察を行い得たが,就中ドナジオ佐藤反應(DSR)が後述の著者等のいわゆる動的觀察を行う場合,比較的よく合宿の經過に從つて變動するのを認めた。
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