醫藥隨想 
                        
                        
                
                  
                  
                  
                  
                            
                                    
                                    
                                    
                                    
                            
                            
                
                
                
                            
                            
                  
                            
                                
                            
                        
                
                
                
                            
                        
                
                
                            
                            
                            
                  
                            
                                    
                                    一筆啓上
                                    
                                    
                            
                            
                        
                
                
                            
                            
                                
                                    
                                        
                                            
                                                戸田 正三
                                            
                                            1
                                        
                                        
                                        
                                        
                                            
                                        
                                    
                                
                                
                                    
                                
                            
                        
                
                
                
                  1金澤大學
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                            
                            
                        
                
                            
                            
                        
                
                pp.23-24
                
                
                
                  
                  
              
              
              
                  発行日 1952年3月15日
                  Published Date 1952/3/15
                
                
                
                DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201008
                
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- 文献概要
某佛哲は,「樂しみは春の櫻に秋の月家内息災3度食う飯」と歌つた。これは,思想も,經濟も政治も,文化も,風の吹きまわしで,ぐらついている今のわが社會には,かような人生觀は,或は良い處方箋であるかもしれぬ。
この歌の意味を勝手に銓議すると,今,私の目前に吹きすさんでいる北陸の嵐も,やがて春風駘蕩春爛漫,兼六公園にある數百種の櫻花の前徴とも見える。また日本個有の夏の蒸暑さも,われらの力源,秋收冬藏のためと思えば事足る。要するにこの歌は四季の變化に富んだ我國においては,その變化を樂しみ,その自然に順應しつつ,それを我身に服合して,自己の生活の安定と社會の平和を希求した概念のように讀める。中にも,家内息災三度食う飯は,今の日本の生活水準では,健康で文化的な生活運營の最低基盤であるとみてよい。
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