綜説
生活物資と人口との均衡方策
戸田 正三
1
1京大
pp.438-447
発行日 1949年6月25日
Published Date 1949/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200478
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はしがき
日本人が此環境に,平和で,健康で,そして文化的な最低限度の生活を營み得る基準を,一は主要な生活物資と,他は最近に於ける人口動態の趨勢とから概測して,平和人口の恕限度を假定した。即はち,先づ現住人口に對する主要食品及び嗜好品の需要量と不足量を概計し,加うるに米食の將來性と食生活様式の改善の必要を述べ,また衣料や住居の不備不足と合せて,生活物資の不足に對する補給力の可能の限度を概測した。次で最近に於ける人口増加の趨勢に鑑みて,之れを放任するの結果は,昔Malthusの豫言が近き將來に於て我國に發中することを憂ひ,人口の調節の必要性と産兒制限の應急方策につき所感の概要を記した。
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