保健所便り・8
—由緒の舊い—所澤保健所
pp.238-239
発行日 1951年11月15日
Published Date 1951/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200964
- 有料閲覧
- 文献概要
東京の芝白金臺町に現在その偉容を誇つている公衆衞生院の歴史を知る者には,所澤保健所といえば忘れられない名前であろう。それは昭和12年ロックフェラー財團の寄附によつて公衆衞生院が設立せられた時に,その實地訓練機關として今の所澤保健所,元の名前でいえば特別衛生地區農村保健館が同時に誕生したからである。「この保健館の開設は,日本における本格的な保健所活動の最初の試みであり,日本のその後の衞生行政の方向を示すものとして極めて重要な意義をもつていたそしてこれが今日の保健所事業の基礎となつたことはいうまでもない。」とは厚生省發行の保健所便覽中にある一節である。現在は勿論埼玉縣の一保健所に過ぎないが,常に各方面から關心をもたれていることは事實てあろう。
少し前置きが長くなり過ぎたので,早速現在の所澤保健所を訪ねてみよう。東京の高田馬場から西武電車に乘ると,昔懐しい武藏野平野を走ること僅か45分で所澤につく。
Copyright © 1951, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.