統計の頁
英國の疾病調査
曾田 長宗
1
1厚生省統計調査部
pp.113-117
発行日 1951年9月15日
Published Date 1951/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200912
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出生,死亡,死産等と並んで一般人口の間に於ける疾病量を定期的に把握することが衞生統計の體系中重要な地位を占めるものであることは,官聽衞生統計乃至人口動態統計の始祖たるWilliamFarr以來廣く認められて來たのであるが,その整備には幾多の實際的困難が伴うので,久しい間立ち遲れの感があつた。1921〜1924年に行われた米國ヘージヤースタウンHagerstown, Md. の調査,1929〜1930年同じく米國の醫療費調査委員會Committee on the Cost of Medical Careが行つた疾病調査,又Franklin RooseveltのNew Deal政策の一環として實施された1936〜1937年のNational Health Survey等,米國に於てこの種の統計調査が逐次新天地を開拓しつつある事情は,自分達も概ね知らされていたのであるが,今回偶々戰後の英國を訪ねる機會を得た際に,當國では疾病調査が毎月の定期調査として實施されていることを知つて,愈々この種の統計調査が本格的軌道に乘つて來たことを痛感した。調査方法等の詳細は,他の衞生統計專門誌に紹介することとして,ここでは,その目的や意義,結果の梗概をかいつまんで述べて見ることとしたい。
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