特集 産業衞生
各種繊維工場の環境調査成績
岸本 七郞
1
,
跡見 一子
1
1名大醫學部衞生學教室
pp.322-324
発行日 1950年6月15日
Published Date 1950/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200651
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ガラ紡工場の環境に關して調査された報告は少い。余等は愛知縣岡崎地方の某ガラ紡工場を調査する機會を得たので,之と對照として紡績工場及び特殊紡績(復紡)工場の調査を合せて行つた。ガラ紡というのは戰時中に羊毛や棉花の輸入と絶の爲盛んになつた工業であつて,これは紡績の落綿,人絹糸,ぼろ布,麻,魚網等を原料とする。そして之等は總て未消毒のまゝ用いる。
作業工程は反毛,撚子,撚糸,合糸の順序で行われ反毛及び撚子の作業所では埃が朦々と舞つていて,柱や梁には恰も「つらゝ」のように埃が下つている。これ等のガラ紡工場は家内工業式に少人數で行つているものが大部分であつて普通の民家の一部を作業所としているので狭い。
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