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原子戰に於ける心理學的諸因子に就て,他
Psychological Factors in Atomic Warfare
James P. Cooney
1
1在ワシントン陸軍省醫務局特殊企劃課
pp.122-124
発行日 1950年2月15日
Published Date 1950/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200589
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原子放射は人類に危害乃至に殺滅を與える邪惡な道具であると解してはいけない。人類が原子放射の中に住まざるを得ない以上寧ろこれに確固たる見透しを以て處すべきである。所謂原子爆彈の原子核爆發と同時に發生する莫大なイオン放射の出現以來一般の心理的恐怖は言ふにいわれないものがある。放射による危害をあえて過少視するものではないが戰場で殺人が行われるのは當然のことであり,若し之れによる障害が他の障害以上でないとすれば當然うけ入れられねばならない。若し原子爆彈が自分の現に歩いてゐる地におちたことがあるからと言つてその二次放射を恐れるなら機銃でうたれて10人の内1人が死んだからと言つて戰場でこれをおそれるのと少しもかわりわない。戰場で人は多くの危害を受ける。彈の外マラリア,花柳病,寒濕,飢餓各種の傷害をうける人は原子放射を少し重くみすぎてゐる。1946年8月原子病から快復した多數の日本人に面接したが彼等は全く正常にみえ,日常生活には何等の支障がなかつた。廣島,長崎の死亡の5-15%が原子病によるものと思惟せられる。
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