研究と資料
蛔虫の新感染率に就いて
野澤 孝
1
1慶應義塾大學醫學部寄生虫學教室
pp.298-299
発行日 1949年3月25日
Published Date 1949/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200442
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近年蛔虫の感染率が著しく高くなつた事は,多くの人々の感じている所であり,我々も既にその増加の程度を數字を以て示すことが出來た(醫學と生物學,11,29,昭22)。此の異常な國民生活のもとに於て,蛔虫の感染が如何なる速度で擴まつて行くかを調査しておくことも必要な事であると思う。
昨年(昭21)慶應病院看護婦144名,一般都内居住者121名に檢便を施行した處,蛔虫非感染者は前者に於て62名,後者に於て42名であつた。これら非感染者中檢査可能の89名に就き今年再檢査を行つた。檢査に當つては塗抹標本と共に,矢尾板氏法に從つて集卵を行い,その沈渣より2枚以上の標本を作つて鏡檢した。檢査回數は昨年は1-2回,平均1.2回,今年はすべて1回である。
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