研究と資料
繁用醫藥品の細菌汚染度及び有害物質に關する研究—第1報 粉末藥劑中の細菌について
八田 貞義
1
,
靑山 好作
1
,
丹治 園枝
1
,
田中 万千子
1
1厚生省東京衞生試驗所細菌部
pp.24-30
発行日 1948年11月25日
Published Date 1948/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200368
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(本報告は昭和23年10月,連合衞生學會總會・厚生科學研究會總會の 席上に於て發表された)
飲食品の衞生管理という問題は,公衆衞生上より重要視せられ,各國ともその程度や様式の差こそあれそれぞれ嚴重な規定をたてゝおり,我が國も同様であるが,こと醫藥品となると藥局法によりその化學的成分についての品質,純度等には留意せられあつても,細菌汚染という見地からする衞生試驗は,單に注射藥に對する細菌有無試驗が課せられあるばかりで,内服藥その他の醫藥品を對象とする取締は殆んどなされていない。
罐詰,魚肉等の變敗の原因の多くは,細菌學的に解決せられているが,エビオス,酵母其の他の製劑の變質,變敗に對しては單に吸濕よりする化學的,物理學的現象として輕視せられたる傾きがある。醫藥品は主に病弱者がその使用對象となることから見ても,これえの衞生管理規約の制定は公衆衞生上重要且つ緊要な問題と思はれるので以下,繁用醫藥品として一般人が容易に入手し,服用しあるものえの衞生細菌學的な檢討を試みた。
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