研究と資料
BCGワクチンこの頃の研究と實施について
柳澤 謙
1
1豫防衞生研究所結核部
pp.83-92
発行日 1948年6月25日
Published Date 1948/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200304
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
わが國では1925年志賀潔氏がはじめてCalmette氏からBCGの菌株を譲り受けて來られ,今村氏がそれによつていち早く研究を進められて以來,各方面では少數ながらBCGの研究者はあつたが,1935年前の研究はわが國では極めて低調であつた。
昭和12年(1937年)秋,日本學術振興會に結核豫防小委員會を作る議が出て,翌年4月から故長與又郎氏が委員長になられ,わが國の結核研究の權威者がBCGの研究に没頭するに至つたのである。昭和15年(1940年)頃からは陸海軍の一部でBCGを結核豫防實施方法のうちにおり込み,その成績の優秀であるのに鑑みて,厚生省では昭和17年(1942年)就職せんとする學童全部にBCGを接種することになつたのである。
Copyright © 1948, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.