--------------------
受胎調節の普及實施要領の解説
齋藤 鐐一
1
1厚生省公衆衞生局庶務課
pp.51-56
発行日 1952年3月1日
Published Date 1952/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200072
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
(1)方針
最近人工妊娠中絶は,激増の傾向にあり,その母體の生命及び健康に及ぼす影響は,相當に考慮すべきものがあるので,次ぎのような方法により,公衆衞生の見地から積極的に受胎調節の普及を行い,國民の福祉及び資質の向上をはかるものとする。
人工妊娠中絶は,母體の生命及び健康を保護するために,必要であることは,優生保護法で認められてはいますが,人工妊娠中絶によつて母體がうける惡影響は,決して輕視出來ません。妊娠すると身體のためにいけない母親が,受胎調節を知らないということは,恐るべき悲哀であります。このような世の中の多くの母親が負擔しなければならない障害を除くために,受胎調節の普及を計ることは,公衆衞生上誠に妥當な方策であると考えるのであります。
Copyright © 1952, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.