研究と資料
新制腸チフスワクチンに依る豫防注射の副反應に就て
金光 正次
1
1北方結核研究所
pp.299-302
発行日 1948年4月25日
Published Date 1948/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200278
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昨年全國的に行われた新制ワクチンに依る腸チフス豫防注射に際して,私も約1300名に豫防注射を行つた。ワクチンの注射量に就ては,厚生省から體重別に細かく規定されている。即ち體重35kg迄は第1囘0.25cc,以後5kgを増す毎に0.05ccを増量し,55kg以上は第1囘0.5cc,第2,3囘は第1囘の2倍量と定められている。此の様に注射量が體重に依つて細かく規定されたのは,他にも理由があるかも知れないが,ワクチンの注射に伴う副反應に堪え得る範圍で,成る可く大量を注射させると云う意味が含まれていると推測される。併し私の今囘の經驗では,副反應の現われ方は從來の場合に比べて必ずしも輕いとは感じられなかつた。特に壮年期の男子に於ては.第1囘注射の反應の爲に,第2囘以後の注射を忌避する傾向が見られ,所定の注射を完了するのに少からぬ困難を感じた。次にその成績の概要を報告する。
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