研究と資料
今囘の腸チフス・パラチフス混合ワクチン注射實施上の所見
守田 文彦
1
1東京都衞生局防疫課
pp.308-313
発行日 1947年11月25日
Published Date 1947/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200208
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今夏來東京都において實施したチフス豫防注射の結果を記して御參考に供したい。
(1)ワクチン 本年2月27日厚生省制定の細菌製劑規準に從つて作られたものである。使用腸チフス菌株は米國から分譲されたNo. 58株(一名ボツクスヒル)である。ワクチン1cc中の菌量は腸チフス菌0.7mg,パラチフスA及B菌各0.2mg,計1.1mgであつて,これまでの0.3〜0.4mgに比べると約3〜4倍濃厚である。菌株は優秀で,そのS型を用い,菌量は多く,無菌試驗は嚴格である(ワクチン20ccを用いて好氣性ならびに嫌氣性培養を37℃と22℃の2組に分けて行う)。勿論安全試驗と力價試驗をパスしなければならない。それゆえ檢定合格品は非常に立派なものと思われる。併し私共の經驗によれば合格品の中にも多少の異状を認めることがある。
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