特集 血液事業のトピックス―身近な献血からiPS細胞の活用まで
献血時副作用および輸血副作用の現状と予防策
岡崎 仁
1
1東京大学医学部附属病院輸血部
pp.624-629
発行日 2013年8月15日
Published Date 2013/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102806
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献血時副作用
昨今の献血者の減少および献血者年齢構成の変化は,今まさに日本が抱えている高齢化社会の進行を反映している(図1,2).全人口に占める延べの献血者の割合は4%前後でさほど減ってはいないが,若年人口の減少に伴う若年献血者の減少は将来的な献血者全体の減少にもつながるため,必要な血液の安定供給に影響を及ぼしかねない.そのような中で,献血者に安全に,しかも将来的に複数回の献血を行ってもらえるようにするためには,採血時の副作用の予防を主眼に置き,安心して次回も献血に来たいと思えるような安全な献血を印象付ける必要がある.
献血者の安全を担保するために,問診や血圧測定により断る場合もあり,さらに成分献血をする際には心電図など生理学的な検査を行うこともあるが,献血に適格であると判断された献血者であっても,望ましくない採血副作用が起こる場合がある.
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