連載 中国高齢者の健康と福祉・1【新連載】
連載「中国高齢者の健康と福祉」をはじめるにあたって
多田羅 浩三
1
,
趙 林
2
1財団法人日本公衆衛生協会
2日中健康福祉協力研究所
pp.311
発行日 2013年4月15日
Published Date 2013/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102712
- 有料閲覧
- 文献概要
日中友好の歩みを踏み出そう(多田羅 浩三)
中国は近年,著しい経済成長を成し遂げて,世界第2位の経済大国になった.昨年の11月,杭州で開催された「Ninth World Congress On Long Term Care In Chinese Communities」に招待されて中国を訪問したとき,この国の盛大な経済の発展ぶりを如実に目の当たりにすることができた.学会では,そういう中国において,高齢者の長期ケア体制の構築に向けて懸命に取り組んでいる実態が,上海や杭州,香港,マカオ,台湾などから多数報告された.中国には,そのような大きな現実があり,また今日,日本最大の輸出相手国は中国である.にもかかわらず,人々の生活や健康について,日本も中国も互いにあまりに知識を欠いているように思える.
そのような中で,学会で交流を深めることができた桂世勲先生や郭清先生,日中健康福祉協力研究所の趙林先生の協力を得て,今回,本誌で「中国高齢者の健康と福祉」のテーマのもとに,全6回の連載が行われることは,画期的なことである.中国国内の大学や行政機関の第一線で活躍されている学者や政策制定の担当者自身が,中国の人たちの健康や医療,介護のことを語ってくれる.日本と中国のこの面での連携,協力,協働の推進に向けて,多くの読者を巻き込んで,意欲的な友好の歩みが踏み出されることを心から期待したい.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.