日本の女性はしあわせか・1
—連載をはじめるに当たって—思春期
村松 博雄
1
,
松村 澄子
2
,
今尾 貞夫
3
,
吉武 輝子
1産婦人科,内科
2産婦人科
3東大付属病院
pp.78-83
発行日 1968年4月1日
Published Date 1968/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913952
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女性における思春期の確立
かつて女性には思春期がなかった。もちろん,“こども”から“おとな”への移行期にあたる思春期を,身体的特質の側面からのみ定義づけるならば,かつての日本女性にも思春期らしきものはあったといえる。
一般には,女性は男性よりも,2年ばかり早く身体発育のスパート(スピードが急速に増した状態)が起こり,こども時代の中性的な体格から,まるみのある女性的な体つきに変わる。そして,身体発育のスパートがはじまって,1年〜1年半後,初潮の発来という劇的な瞬間を迎えて,男性よりもいっそう決定的な形で,小児期との訣別を体験する。
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