映画の時間
―東と西.嘘と真実.自由と使命.その狭間で揺れる,愛.―東ベルリンから来た女
桜山 豊夫
pp.162
発行日 2013年2月15日
Published Date 2013/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102674
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1989年にベルリンの壁が崩壊し,1990年に統一ドイツが誕生してから既に20年余が経過し,いまや「東ベルリン」や「東ドイツ」という言葉も死語になりつつある感があります.この映画は壁が崩壊するおよそ10年前,東ドイツがいまだ「健在」であった1980年頃の物語です.
題名にもあるように,医師である主人公バルバラ(ニーナ・ホス)が東ベルリンから,地方都市の病院へ赴任する場面から映画は始まります.バスから降りて出勤してくる彼女を病院の窓から眺めながら,上司たちが彼女について話しています.すっきりとした魅力的な女性ですが,赴任の理由はどこか曰くありげです.
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