資料
公衆衛生研究における社会階層指標構築の重要性
本庄 かおり
1
,
堤 明純
2
1大阪大学グローバルコラボレーションセンター
2北里大学医学部公衆衛生学単位
pp.916-919
発行日 2012年11月15日
Published Date 2012/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102591
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背景
近年,日本における社会的・経済的格差に対する関心の高まりとともに,社会階層間の健康格差に関する知見が蓄積されているところである1).例えば,喫煙などの健康行動や冠動脈疾患危険要因2),生活習慣病による死亡3)や罹患リスク4)などにおいて,社会階層・社会経済状況による格差が存在することが報告されている.疫学研究の多くは教育歴,収入や職業をベースにした指標を用いて社会階層を測定しているが,社会階層指標の妥当性に多くの注意を払ってきたとは言えず,特に女性の社会階層をどのように測定するべきかの議論はなかった.
本稿では,公衆衛生研究における社会階層指標の妥当性を論じ,社会階層指標構築の重要性について考察する.
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