予防と臨床のはざまで
産保合同シンポジウム報告
福田 洋
1
1順天堂大学医学部総合診療科
pp.836
発行日 2012年10月15日
Published Date 2012/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102570
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8月31日に順天堂大学にて,日本産業衛生学会・関東産業衛生技術部会主催,北里大学・労働衛生を語ろう会・さんぽ会(http://sanpokai.umin.jp/)等が共催し,産保合同シンポジウム「ストレスを考える!」が開催されました.2つのシンポジウムと,1つの基調講演を含み,私が事務局を務めるさんぽ会は,シンポジウム1「メンタル困難事例から1次予防の可能性を探る~もぐらたたきで終始しない,求められる企業のメンタル対策とは?」を担当しました.
まず私から,今や産業医業務の7割がメンタルケースの対応で,ケースの困難化を背景に多くの企業でスタッフが復職やリハビリなどの3次予防に追われている現状をお話ししました.一方で,国は全労働者へのメンタルチェックの義務化を推進しようとしています.自殺減少という総論は重要であるものの,2次予防を主体としたシステムでは,質問票の限界も含め予防施策として様々な課題がありそうです.モグラたたきに終始しないルールづくり,人づくり,組織づくりを含む職域のメンタルヘルス対策の推進のために,今,企業で求められていることは何か? 今までのさんぽ会での議論を踏まえ,専門職の視点だけでなく,経営や人材育成の視点でメンタルヘルスプロモーションを考えるべきではと,話題提供しました.
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