連載 リレー連載・列島ランナー・43
みんなで支える,横浜の小児救急医療~つなぐ保健師の役割
横森 喜久美
1
1横浜市健康福祉局医療政策課
pp.823-826
発行日 2012年10月15日
Published Date 2012/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102561
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
6月のある日,携帯電話が鳴り,10数年ぶりに聞く懐かしい声.「公衆衛生の列島ランナーのバトンを受けてくれない?」と言われ,私は長野県佐久穂町の上村さんからバトンを受け取りました.電話の主は,上村さんの同僚の保健師.20年程前に長野県川上村で一緒に働いた仲間でした.電話から聞こえる声はとても懐かしく,嬉しさのあまり,執筆の内容等を検討もせずに了解の返事をしてしまったのですが,後から執筆量が分かり,少々弱腰になりました.しかし,せっかく彼女が私を思い出してくれて声をかけてくれ,今の業務のことや,保健師としての想いをまとめてみるには良い機会と思い,執筆することにしました.
現在,私は横浜市の保健師として働いていますが,保健師としてのスタートは,長野県川上村でした.新卒でしかも1人配置.とても心細く,右も左も分からない中で保健師の活動を始めました.そんな自分の不安を察してか,職場の上司,同僚の配慮はとても大きく,保健所の担当保健師には事業を全面的にサポートしていただき,保健所管内の市町村保健師の仲間たちにも支えられ,何とか事業をこなした新卒1年目でした.そして2年目に保健師が1名増員されました.その保健師が,私に「列島ランナー」の電話をくれた彼女です.
2名配置になり,独りでは取り組むことが困難だった様々なことが実現可能になり,多面的に保健師活動を展開することができました.向こう見ずな挑戦をしたこともありましたが,職場の上司,同僚,関係機関,地域住民など,多くの関係者に支えられて活動し,保健師の活動が「つなぐ仕事」であることを学びました.この長野での経験が,私の保健師活動の原点となっています.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.