特集 運動とは何か
体温調節機能と運動
田中 英登
1
1横浜国立大学教育人間科学部
pp.452-455
発行日 2012年6月15日
Published Date 2012/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102443
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はじめに
身体運動は体温調節機能に様々なかたちで影響することが知られている.運動は体熱産生量を著しく増加させるため,これに見合った熱放散を行わないと体温が上昇してしまう.この運動時の熱放散には体外環境が影響する.ウォーミングアップやクールダウンは運動のパフォーマンスや障害予防の観点からも重要であり,体温調節系が密接に関連している.
さらに,習慣的な運動は体温調節機能をはじめとする自律神経調節機能に大きく影響し,例えば低体温や冷え性などがその例でもある.また近年では,夏季の熱中症発生が問題となっており,熱中症発症は体温調節機能が関連するため,運動と熱中症との関係も一つのトピックである.このように,運動と体温調節機能の関わりは深く,このすべてを詳細に本稿で記述するのは困難であるが,以下簡単に紹介する.
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