2色ページ ホメオステーシス入門・9
サーモスタットとしての体温調節機能
畠山 一平
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1北里大学医学部生物物理
pp.996-999
発行日 1974年9月1日
Published Date 1974/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917104
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体温と生命
体温計ほど一般家庭に普及している衛生器具はないであろう.正常体温値は一般人の常識であり,発熱は体の異常を疑わせる代表的な症状である.事実我々の体温が一定範囲から外に出ることは死を意味する.図1は人の体温の変動範囲を示したものであるが,この範囲より高くても低くても生命を維持することはできない.
ただし,これは人間についてであって,特殊な植物はかなりの高温低温を至適生活条件としているし,同じ温血動物でもその正常範囲がかなり違っていることはいうまでもない.しかし,冷血動物とて環境温度の変化ほどには体温が変わらず,定性的には恒温動物といわれている温血動物と同じような体温調節が行われている.
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