特集 高齢者の身近な疾患
高齢者の呼吸器科疾患
村木 慶子
1
,
高橋 和久
1
1順天堂大学呼吸器内科
pp.360-364
発行日 2012年5月15日
Published Date 2012/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102413
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はじめに
わが国における高齢者の人口は確実に増加している.2011年は65歳以上の高齢者人口は2,980万人で,全人口の23.3%に達し,その割合は2015年には26%になると予測されている.人口の高齢化に伴い,慢性閉塞性疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)や誤嚥性肺炎などの呼吸器疾患が増加している.これは肺が外界に開放しており,喫煙や大気汚染による外的影響と,加齢に伴う肺の老化が,その呼吸器疾患の発症に大きく関与しているためである.
本稿では,呼吸器の加齢変化と高齢者に多い呼吸器疾患の代表であるCOPDと肺がん,肺炎,喘息について概説する.
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