連載 フィールドに出よう!・3
フィールドは辛くて,とても面白い―コロンビアJICA長期専門家としての地雷被災者支援
高橋 競
1
1東京大学大学院医学系研究科国際地域保健学教室
pp.242-245
発行日 2012年3月15日
Published Date 2012/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102373
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なぜフィールドへ行ったのか?
理学療法士として日本国内で働いていた私が「フィールド」という言葉を意識するようになったのは,国内外の障害者に優しい社会づくりに貢献したいと国際保健の道を志してからだ.メキシコの田舎で地域に根ざしたリハビリテーションを成功させたデビッド・ワーナー氏に憧れていたこともあり,途上国という「フィールド」で,障害者を取り巻く環境のダイナミックな変化を肌で感じることができるのではないかと思っていたのである.将来,国際保健分野の研究者になるにしても実践家として活動するにしても,一度はフィールドに長期滞在し,自分の専門性を深めつつ,責任ある立場で仕事をしたいと考えていたのだ.
修士課程を修了したタイミングで,国際協力機構(JICA)がコロンビア政府と共に実施している技術協力プロジェクト「地雷被災者を中心とした障害者総合リハビリテーション体制強化」に長期派遣専門家(チーフアドバイザー/総合リハビリテーション)として2年間従事する機会をいただいたのは,本当に幸運だった.もちろん不安はたくさんあったが,2年後の成長した自分を夢見ながら,「行くなら今しかない!」という思いでフィールドに飛び込んでしまった.
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