特別寄稿
東日本大震災から1年―福島県からの報告―県民健康管理調査の概要
安村 誠司
1,2
1福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座
2福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター
pp.222-225
発行日 2012年3月15日
Published Date 2012/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102368
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はじめに
2011(平成23)年3月11日午後2時46分に発生した地震と,それに引き続き起こった津波による東日本大震災(以下,震災と略す)から,間もなく1年になるのを前に,特別寄稿の依頼を頂いた.この1年を振り返ることは,思い出したくない出来事の数々を再び呼び起こすことを意味しており,言語化することは,苦しく,つらい作業であるが,記録に残しておくことの重要さを考え,引き受けることにした.震災により,東京電力福島第一原子力発電所および福島第二発電所が被害を受け,想定外の原発事故により,福島県内を中心に広範囲にわたる放射能汚染が発生した.福島県では原子力災害による放射線の影響を踏まえ,将来にわたる県民の健康管理を目的とした「県民健康管理調査」を実施することになった.本調査に関わっている一人として,その目的・内容等について主に紹介する.
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