特集 アルコール関連問題
アルコールと生活習慣病予防―分子疫学研究の成果とその応用
竹下 達也
1
1和歌山県立医科大学医学部公衆衛生学教室
pp.205-209
発行日 2012年3月15日
Published Date 2012/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102363
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
日本人などアジア人の飲酒行動およびその関連影響に関しては,アルコール代謝酵素の多型により遺伝的に規定されるアルコール感受性の個体差を抜きには語れない.2010年の本誌において,そのうちの1つの多型(ALDH2遺伝型)に関して概説を行った1)が,近年の分子疫学研究の進展に伴い,主に2つの多型(ALDH2およびADH1B遺伝型)によってアルコール感受性および健康影響が大きな影響を受けていることが明らかになってきているので,本稿ではこの2つの多型の組み合わせと健康との関係について最近の知見を紹介し,遺伝子検査により自分の遺伝子タイプを知り,飲酒による健康リスクを予防する個の健康増進の可能性について述べる.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.