特集 生食のリスク
食肉・野生動物の生食と寄生虫症
山﨑 浩
1
,
森嶋 康之
1
,
八木田 健司
2
1国立感染症研究所寄生動物部第二室
2国立感染症研究所寄生動物部第一室
pp.30-36
発行日 2012年1月15日
Published Date 2012/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102309
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はじめに
豚肉や牛肉などの食肉からヒトが感染する寄生虫は古くから知られているが,最近,豚レバーや馬肉を感染源とする新興寄生虫症による食中毒事例の発生,さらに,狩猟や獣害対策で得られた野生動物肉(ジビエ)を地域振興策の一つとして販売する動きも見られ,これらを感染源とする寄生虫の種類は多様化の傾向がある(表).そこで,食肉に潜む寄生虫とヒトとの関わりについて理解しておくことは,食の安全や感染予防の観点から重要と考えられる.字数に限りがあるので,本稿では,食肉を感染源とする寄生虫の中で公衆衛生学的に重要な寄生虫や,最近話題になっている寄生虫を中心に概説する.
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