連載 人を癒す自然との絆・2
野生動物のケアをとおして成長する
大塚 敦子
pp.674-675
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101634
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前回に続き,ニューヨーク州にある子どもたちの精神治療施設グリーン・チムニーズの取り組みについて書く.ここのプログラムの特徴は,豊かな自然に囲まれた環境を生かし,動物や植物とのふれあいを積極的にセラピーに取り入れていることだが,なかでもユニークなのは,傷ついた野生動物のケアを行っている点である.キャンパス内には州の認可を受けた野生動物保護センターがあり,ケガをして持ち込まれたタカやフクロウなど,野生の猛禽類のリハビリを行っている.農場動物の世話と同様,野生動物のケアも子どもたちのカリキュラムに組み込まれており,多くの子どもが参加している.
カールトン(14歳)もその1人だった.父親によると,カールトンは両親が離婚して以来情緒不安定になり,ささいなことにも怒って暴力をふるうようになったという.やがて,学校でも家でも手に負えない問題児となり,グリーン・チムニーズに送られることになった.
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